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ふかふか谷の物語 27


ツナスキンがそうたずねるとどこにでもいる
小さな虫はさっきよりもっと首をフリフリ答えました。

ツナ缶のある気の利いた町だって?
例えばぼくが今ここの近くにあるツナ缶のありかを
教えたとしよう。
この道をまっすぐ行って突き当たりを左に、
さらに進んで脇道を右に行くと、
小さな家が見えてくる。
小屋の中には小さなベットが7つあって、
その奥には小さな台所がある。
台所の床下にはちょっとした収納庫があって、
小麦粉やら調味料やら缶詰やらが保存されてる。
その中にきっとツナ缶はあるさ。
前日とかに食べられてなければ、ね。
君はぼくのいうとうりにしてそっと小屋に入り、
台所にいた可愛い女の子に気付かれずに
ツナ缶を手にいれたとしよう。
でもそれで君は満足かい?
ふかふか谷の伝統、
ツナスキン家の名誉は守れるのかい?

ツナスキンは小さな虫君がこんなに喋り続けたことに
びっくりしました。
また頭がクラクラしましたが、
今度は小さな虫君の言うとおりかもしれない、
と思いました。







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ふかふか谷の物語 26


ツナスキンは走り続け、水音は徐々に近づいてきました。
程なく小さな水辺にたどり着きました。

ぴちゃぴちゃぴちゃ

ツナスキンは一心不乱に水を飲み続けました。
その水はふかふか谷の水とはかすかに違うような
何かの匂いがあるようでした。
でもその水はツナスキンの体の中にすっと
なじみ体の中の細胞を生き返らせてくれました。

どうだ、うまい水だろう、ツナスキン。
山の上の方から湧き出しているんだ。
正真正銘の湧き水さ。

顔をあげたツナスキンの前には小さな虫がいました。

やあ、君はさっきのどこにでもいる小さな虫くんだね。
またあったね。

ツナスキンがそういうと目の前の小さな虫は首を
フリフリ答えました。

さっきのどこにでもいる虫?
さっきのどこにでもいる虫は
今ではどこにもいない虫だろ?
僕はただのどこにでもいる虫さ。

ツナスキンはちょっと頭がくらくらしてきました。
なにを言ってるんだ、この虫くんは、
と思いながらも尋ねました。

ところで近くに町はあるかな?
ツナ缶があるような、
気の利いた町のことだけど。




ふかふか谷の物語 25


ちょっとまって、
教えてくれたっていいだろ、
どこにでもいてなんでも知ってる小さな虫くん!

ツナスキンは叫びましたが
どこにでもいる小さな虫の姿は消え去っていました。

あーこれからどうしよう。

ツナスキンはぼんやり空を見上げました。

この空はきっとふかふか谷につながっていて、、、
ふかふか谷ではきっと僕の旅の話題で持ちきりで、、、
ツナ缶を楽しみに待っているだろうな、、、
この雲は、、、
この雲の形は、、、
なんだかよくわからない形は、、、
タマちゃんのぶち模様みたいだ、、、
みんな元気かな、、、
、、、、、、、、、、
そうだ、手ぶらでは帰れない。

ツナスキンは覚悟を決めて、背筋をにゃんと
伸ばしました。
五感をとぎすし、耳をくるりと回すと
水のせせらぎの音がどこからかかすかに
聞こえてきました。
なぜかふかふか谷のある方角もわかりました。
自信にみちあふれたツナスキンは水のせせらぎの音
の方へ走り出していました。




ふかふか谷の物語 24


イテテッ!
いきなり空から降ってきて、ふむなよ!

ツナスキンの足元から声が聞こえました。
慌てて飛び退くとそこには小さな虫がいました。

ごめん、ごめん。
君は誰かな?

ツナスキンが尋ねると小さな虫は答えました。

誰かって?
僕は僕だよ。他の誰でもない。
どこにでもいる小さな虫さ、ツナスキン。

どうして僕の名前を知っているの?

ツナスキンは驚いて尋ねました。

どうしてって?
だから、僕はどこにでもいる虫だからさ。
君はふかふか谷からやってきたんだろう?
ツナ缶を探しにね。

ツナスキンはまたまた驚いて言いました。

小さな虫君はなんでも知っているんだねぇ。
びっくりしたっピヨ。
世の中にはいろんな小さな生き物がいるんだね。
ところでここはどこかな?
近くにきれいな水が湧き出ている川はあるかな?

のどが渇いていたツナスキンは尋ねました。

なんだって?
君は猫だろ?
こんな小さな虫に聞くんじゃないよ。
全くもう、ふかふか谷の猫は旅に出ないから
こんな情けないことになるんだ。

小さな虫はこう言うとぴょんとどこかへ
飛んで行ってしまいました。


ふかふか谷の物語 23


猛スピードでこちらに向かってくるものの正体は
竜巻です。
ピヨリとツナスキンは大きな渦に巻き込まれ、
違う方向にすっ飛ばされてしまいました。

ツナスキン、お達者でッピヨ!

遠くの方からピヨりの声がしました。

ピヨリ、元気でなー
ありがとうッピヨなー

ツナスキンは叫びながら地面に向かって、
急降下していきました。
でも猫ですから、落ち着いていて余裕です。
くるっと回って着地、しようと思ったら
まだ高すぎたようです。
ツナスキンは今度は三回転にひねりを加え、
くるくる、ストン、ピタッと見事に着地を決めました。

ここはどこだろう。
森のようだけど。

周りで木々が風でざわついています。
ツナスキンはたった一人で知らない場所に
立っていました。


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Author:toonnote
小型電気釜で陶器を作っています。陶器、カフェギャラリー、うちの猫みん、など日々感じることを綴っています。

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